2024年12月31日火曜日

プラネットライカ・自分なりの解釈まとめ(第1回・登場人物たちの過去)

  どうも、お久しぶりです。

 今回はクリスマスが近かったということで、以前紹介したプラネットライカの考察・・・とまではいかない、自分なりの理解を備忘的にまとめたいと思います。

昔に書いた東脳のように、エンディングやら詳しくを書くことはしませんが、それでも当然ネタバレは注意です。

 できれば継続していきたいとは思うので、自分なりにハードルを課す意味で第一回と銘打ちました。自縄自縛。

 あ、あとぶっちゃけうろ覚えの部分も多いので、明らかなミスなどがあればご指摘をお願いいたします。


 それでは早速参りましょう。第一回は「登場人物たちの過去」です。
※ネタバレ注意(くどい)


◯クルーたちの過去

ライカ

まずは主人公、ライカですね。彼の生い立ちはなかなかしんどいです。
彼は幼い頃に父を亡くしており、母タニアの再婚相手ウラジミールおよびその連れ子、義兄セルゲイの家に身を寄せていました。
が、ウラジミールは酒に溺れ、二人に激しい暴力を振るう男でした。セルゲイもまたライカを見下し、当初から陰湿な苛めを行っていたようです。


まさに絵に描いたような不幸の中、ライカは亡き父が自分に向けた「この子は兵士、宇宙飛行士に向いている」という言葉と、その生前を伝える母の言葉を支えに努力を重ねます。

やがてその一家も死別・離散し、ライカひとりが残されます。それでも彼は宇宙飛行士という夢を叶え、いよいよ火星調査の任務に臨もうとしていた、というのが彼の過去です。…表面上の。

タトラ―隊長

次にタトラー。調査隊の隊長です。
クルーの中でも彼の過去は大部分が省略されていますが、舞台の都合上、トラウマに関わる部分は若干描かれています。

彼のトラウマはその青年時代。
隊長は士官学校時代、クロエという年の離れた少女と親交があったようです。
それがどういった関わりかはさておき、彼女は交通事故でこの世を去ってしまいました。
そのことは未だに彼のトラウマであり、イーブルマインドによって掘り返されたクロエの幻影は、劇中では得体の知れない意思の依代となります。

エイプリル

お次はヒロインのエイプリル。

彼女の場合、そのトラウマは何かの事件ではありません。
母親という存在そのものです。

彼女の母親は、エイプリルを非常に手厚く育てました。ですから彼女も憎んでいるような素振りは見えませんが、その過保護さが彼女にとっては息苦しく感じられていたようです。いわゆる過干渉の毒親というやつですね。

しかも。その過干渉は、エイプリルを我が子ではなく自身の分身とみなしていたためであった(とエイプリルは感じていた)というのです。
要するに、自分がなりたかったものや体験したかったことをエイプリルに押し付け、彼女が思い通りに動くよう支配していたということでしょう。
ステージママと例えればイメージしやすいでしょうか(古い)。

イーブルマインドの影響下では、謎の声が彼女に語り掛け、エイプリルが操られるように歩き回る様子が頻繁に見られます。
幼い頃の記憶が呼び起こされ、操り人形になっているということなのでしょうか。

ヌーン

クルーのトリは機関士ヌーン。
彼の父親は家庭内暴力を振るう男だったようです。セリフでは火かき棒を使うことすら日常的だった模様。
それだけでもトラウマもんですが、ある日、それに耐えかねたヌーンの母親が父親を殺めた上、ヌーンに「自分は悪くない」「お前は私が死ぬほうが良かったのか」と迫ったことで、彼の心に母親への強い依存心と恐怖が植え付けられました。
ちなみにその後母親は刑務所に送られ、獄死したようです。

三人の中で最も直接的なトラウマですから、イーブルマインドの影響が最も強いのも当然かもしれませんね。
早々に失踪し、そのトラウマを色濃く反映した「街」を作るなど、序盤の展開は基本的に彼に関連して起こっています。

◯火星で出会う人々の過去

エレミヤ

では、調査隊以外の登場人物についてもちょっと触れていきましょう。
ゲームの目的となる五つの預言を残したとされる罪人です。
再確認ですが、その預言は終末と再生の預言です。キーとなるのは「双子」「(終末を生き抜く)完全なる善」「完全なる悪」(これもまた記述できたら良いなと思います)。
火星がまだ刑務所として機能していた頃のお話ですから、当然大昔の出来事です。

元ネタは言うまでもなく、預言者エレミヤでしょう。エルサレム滅亡の預言を布教したとされる人物です。

ガリル大佐

10年前の先遣隊のリーダーにして、本作のラスボスです。
火星調査の過程でエレミヤの預言の存在に気付き、悪を蔓延させた上でそれらを集める『完全なる悪(黒い騎士)』を用意しつつ、自らが『完全なる善』となるべく暗躍していました。
火星に終末や預言の噂が出回ったのも、人々がイーブルマインドに毒されておかしくなったのも、彼が原因です。
それまでは流刑者の生き残りが辛うじて生活しているだけの寂れた星だったとか。

メディスンマン(先遣隊の生き残り)

隊長ガリルが失踪して以来、コロニーの隅で暮らしてきたという先遣隊メンバーたち。

ですが、その様子が明らかに異常です。
自らを「メディスンマン一族」と名乗ったり、
周囲の人間のタマシイを抜いたり戻したりするまじない踊り(ドールダンス)を行っていたり、
自らの悪を浄化する「シークレットパワー」を秘めていたり、
インディアンもといネイティブアメリカンっぽくなっていたり、と、
これはこれで正気を失っている感じです。しかし現調査隊メンバーと同様、悪に憑かれておらず、話し掛けても悪が溜まりません。

ちなみにメンバーは3人。長老のホワイトイーグル、ノーブルロック、ユニバーサルマンです。
が、ユニバーサルマンはシークレットパワーを狙ったガリル大佐により殺害されました。ということはガリル失踪後に身に着けた能力なのでしょうか。

火星の住人たち

あらすじ説明でライカの多重人格に触れましたが、実は火星の人々は全員多重人格です。
というよりも、イーブルマインドに毒されたせいで、3つの悪が人格となるまで成長してしまった感じでしょうか。

整形屋フェイ

元はヘロデ達とつるむ悪徳流刑者でしたが、ガリルから渡された「ヴェロニカの布」を利用する整形屋を開いて、欲悪を蔓延させる片棒を担いでいます。
そして現在は、整形によって完璧な美貌を手に入れたという「鏡の精アマンダ」に仕えると称し、この世の悪を照らし出すという「審判の鏡」を作っています。

鏡のモチーフについても少しコメントすると、
鏡を見ると犬顔が映る=憎しみが湧く=悪が増幅される
ということのようです。そのため、整形によって顔を変えれば終末を乗り切れるとも考えているようですね。

ただ、作中のややこしい台詞を読んでいると、
「犬顔=原罪」「鏡=自分の悪を映し出すもの」「整形=悪を隠すこと」と解釈できそうです。
原罪はキリスト教のテーマですしね。あながち的外れでも無いんじゃないでしょうか。

元ネタはヴェロニカ(キリストが処刑される日、十字架を運ぶ坂の道中で彼の顔を拭いた女性。その布にはキリストの姿が浮かび上がるという奇跡が起き、聖骸布として祀られています)でしょう。
別人格の名前もそのものずばりヴェロニカですし。

なお、ヴィジュアル系以外の拠点であるナイトプラネットやサイコハウスの住人には特筆すべき過去はありません。(ブーマーズナイトやクロウドリームなど、それらしいアイテムはありますが、正直そこまで物語に絡むものではないと考え割愛)

酸素屋ヘロデ&リトル

おそらく元々刑務として行われていた酸素石の採掘を指揮することで、コロニーを仕切っている元悪徳流刑者のコンビです。

預言の「双子」と終末を恐れ、クリスマスの日に双子をさらって生き埋めにするという惨劇を引き起こした張本人でもあります。
具体的なタイミングは不明ですが、流刑地であった時代の出来事というので、地球化計画が始動する前のことなのではないでしょうか。

元ネタは言うまでもなくヘロデ王(キリストの出生を恐れ、幼い男子を処刑した王)でしょう。
リトルは不明。彼の別人格はリバーといいますので、もしかしたら小川関連の何かでしょうか。



 三人格の過去についても述べていきたいところですが、今回は少し長くなりましたので回を分けましょう。とりあえずこのくらいで。

 それでは。