2023年7月23日日曜日

フランス革命の流れ(その1・ヴェルサイユ行進まで)

(※以前の記事があまりにも冗長だったため色々修正・省略しました。)

 どうも。

 皆さん、歴史の選択は日本史と世界史どちらでしたか?僕は世界史だったのですが、恥ずかしながらフランス革命の内容はほぼ理解できないままテストをやり過ごしていました。
が、最近少し再勉強してみたので、忘れる前に備忘的に並べ立てていきたいと思います。

 当然ですが内容の正確性は保証できないので、真面目に勉強したい方は教科書などと見比べながらにして下さい。そんなことするくらいなら教科書だけ読んだ方が

 ※基本的にはWikipediaの内容が大部分です。ただコピペではあまりに芸が無いので出来る限り平易かつ自分の言葉で解説させて頂こうかと思います。


 まずは予備知識から。

 時代は太陽王ルイ14世の二代後、ルイ16世の治世です。

 当時のフランスにはアンシャン・レジーム(旧体制)と呼ばれる身分制度があり、第一身分の聖職者、第二身分の貴族、そしてそれ以外の第三身分と分かれていました。
ただし、それぞれの身分内でも貧富や立場は大きく異なっています。
例えば第一身分なら中央の大司教⇔村の教会の司祭、
第二身分なら王にコネのある宮廷貴族⇔それ以外(特に平民上がりの貴族)、
第三身分なら王室の御用商人⇔一般市民、地方なら地主⇔小作農、
でスタンスが違うのはイメージできるかと思います。

 特に今回活躍する第三身分の人々は、特権を持たない新興のお金持ち(ブルジョワジー)であって、イメージしやすい貧乏な民衆とは違うということに注意してください。

 それはさておき、第一・第二身分には免税や課税の特権が認められており、当然第三身分が国費を負担させられていました。
更に当時のフランス政府の財政は最悪で、アメリカ独立戦争などの戦費に加え、凶作、そして宮廷貴族の奢侈な生活が重なり、国庫が底をつきそうな状態。

 国王ルイ16世は財政建て直しのため、評判の良い在野の経済家を大臣に任命しますが、
もはや第三身分だけでは賄えないからと特権身分への課税を試みたために、王に近い宮廷貴族たちの猛反対に遭い、罷免される…という流れが何度か続きます。
とはいえ、ルイ16世も別に課税に積極的だった訳ではないようです。


 では、いよいよ説明に入ります。

 発端となったのはある改革派大臣が課税案を貴族たちに提案した際、彼らが拒否する口実として「三部会」の開催を主張したことでした。
この三部会というのはその名の通り、各地の選挙区から選ばれた各身分の代表者で議論を行うための議会です。

 これに喜んだのが第三身分。何故なら彼らが政治に干渉できる機会はこれぐらいであり、しかも絶対王政以来170年ほども開催されていなかったからです。
彼らはこの機会を利用して、特権階級も逆らえない法律、つまり憲法の制定を成し遂げようとしたのでした。

 大臣はそれらの貴族たちと争い、王権を利用して追放したりしたのですが、
曲がりなりにも三部会を開こうと主張している彼らを追放したことで民衆が暴動を起こしたりしています。ややこしいですね。
この時の構図を描くとだいたいこんな感じ(だと思います)。

王の権力を利用する貴族と、王から権力を奪いたい貴族がいたイメージです(実際はもっと複雑ですが)。
どちらも改革派の大臣には敵対的なのがややこしい。
平安風なのは気にしないで下さい。

 最終的には混乱と国庫の枯渇という現実を前に、国王も開催を認めました。(王権の譲歩。)
またこの間も大臣は何度か交代しており、最後に着任した人物は民衆の人気が高く、それを武器に三部会で課税改革を進めようと考えていました。

 ところがというか案の定というか、招集された三部会はもめにもめます。ひと月ほど会議が開かれることもないまま膠着し、やがて第三身分の代表者たちは独自に「国民議会」という議会の結成を(一方的に)宣言し、他の身分の代表者たちに合流を要求しました。

 そんなもん誰が聞くねん、と思いきや、第二身分のごく少数、そして第一身分の大半が合流を決定します。
理由はさまざまでしょうが、聖職者代表に関しては前述の通り貧乏祭司なども多く含まれていたことが大きかったようです。

 国王ルイ16世と宮廷貴族はもちろんその存在を認めず、武力で威圧しつつ議場を閉鎖しますが、彼らの決意は固く、一週間ほどで上述の他身分が合流。
国王はやむなく国民議会の成立を認め、残りの代表にも合流を呼び掛けたのでした。

 これで正式に議会となった国民議会は、この後「憲法制定国民議会(立憲議会)」と改称します。


 ただし、それで引き下がった訳ではありません。まず軍隊を動かし、議会を威圧すると同時に中心都市パリににらみを効かせます。
さらに前述の財務大臣を解任。人気の高い彼を下ろしたことで、改革勢力に動揺が広がりました。

 これに対し、「武力で潰される」と思った市民も自衛組織(※ブルジョア)を立ち上げるなどし、武力衝突と暴動が発生し始めます。

その過程で発生したのが、武装のための弾薬を求めた民衆(※非ブルジョア)によるバスティーユ牢獄襲撃事件でした。
これは専制政治の象徴とも言える牢獄で、国王の命令さえあれば誰でも・非公開で投獄できるというなかなかに怪しげな施設でした。ただし、襲撃時に収監されていたのはわずか7人だったとか。

 当初は民衆も代表者を立てて、守備隊もそれを招き入れて対談するなど冷静な交渉だったのですが、やがてそれらは暴動となってしまいます。
本来ならば成功するはずもないように思うのですが、賃金の未払いなどが祟り国王軍は救援に動けないばかりか一部が市民側に寝返り、陥落。

 これにより軍事的にも統治能力を失っていることを露呈したルイ16世は、パリ自治政府、前述の(国王軍が寝返った)自衛組織=国民衛兵、そして彼らの三色旗を正式に承認・受容するなど、専制君主制は完全に崩壊しました。

 財務大臣も復帰し、特権身分への課税などの改革がついに始動。これまでの報復を恐れた貴族たちは国外へ亡命し、今後は反革命勢力として陰に陽に活動していきます。


 また、地方ではこれらのニュースに触発された反乱や、逆に領主による弾圧といった混乱が広がりました。
ただ、これには立憲議会も困ります。彼らは別に国家騒乱を望んでいる訳ではありませんので。
しかし、市民の支持を考えれば国王軍や私兵などを利用した強硬な鎮圧はできません。

 ここで差し当たり貴族たちと第三身分代表との利害は一致し、とりあえず封建特権の一部廃止を宣言することで国を落ち着かせるとともに、かの有名な人権宣言が出されました。起草者はアメリカ独立戦争でワシントンと共に戦った「両大陸の英雄」ラ・ファイエットです。ちなみに、彼は国民衛兵の最高司令官にも任命されています。

 その内容は自由と平等、人民主権、法の下の平等、三権分立、所有権など、今の日本国憲法の基礎をなす概念が目白押しです。ここテスト出るぞー。


 さて、これで治安が戻るかと思いきや、そうも行きません。
国王ルイ16世は、特権の廃止も人権宣言も承認しませんでした。つまり未発効のままです。

 2か月後、食料品の値上がり・宮廷の散財や革命の侮辱(を伝える記事)・革命急進派の運動などによって、パリの女性たちを中心とした集団がヴェルサイユに向けて出発しました。これがヴェルサイユ行進です。
離れた場所で裕福に暮らす国王に、自分たちの生活苦を分かってもらおうとした訳ですね。また、アントワネット王妃などのいわゆる「君側の奸」を排除しようとする人もいたようです。
ここでひとつ豆知識として、宮殿と立憲議会はパリではなくヴェルサイユにありました。両者は20kmと、意外と離れています。5~7時間くらいかかったでしょう。

 宮殿の外を殺気立った集団に取り囲まれ、国王はやむなく彼らの代表と面会。特権廃止と人権宣言を承認しました。

 ところがそれだけでは終わらず、その日の未明、衛兵の目を盗んだ暴徒が宮殿敷地に侵入・近衛兵を殺害しました。戦闘音に気付いた他の民衆もまた雪崩れ込みます。
興奮状態の彼らに取り囲まれたバルコニーの上で、王と王妃は求められるままに「パリ行き」を受け入れざるを得ませんでした。

 ただし、この段階ではどちらも万歳の声で迎えられており、まだ国民の憎悪はそこまででも無かったようです。
アントワネットなどは寝室まで踏み込まれてますが、「実際に見たらそんなに悪人でもないかもなあ」くらいの印象だったのでしょうか?

 これにより、国王は味方のほとんどいないパリに連れて行かれてしまいました。
加えて立憲議会も同様にパリへと移され、市民の監視下に置かれることになります。


 とりあえず、今回はこんなところですね。
それでは。

 

2023年2月23日木曜日

奇ゲー「プラネットライカ」のストーリーなど

  どうも。前回に引き続き奇ゲーのご紹介です。と言っても未プレイなんですが。

 今回は「プラネットライカ」というプレステのゲーム。

AMAZONより。ロケットが切れているのはこういうデザインです。

 こちら、同じく奇ゲーとして名高い「クーロンズゲート」の開発元によって企画されたロールプレイングゲームなのですが、その評価はと言えば、
ストーリーが曖昧ではっきり説明されない、
しかも物語の根幹に主人公のトラウマが深く関わっており回想と現在とに話が飛びまくる、
そもそもキャラの台詞が独特過ぎて会話の大半が意味不明…。

 と、正直なところ高評価ばかりとは言えません。かくいう自分も、初めて見た時は「訳わからん」以外の感想が出てきませんでした。


 ですが、夢の中のようなセンチメンタルかつダークな雰囲気、
見え隠れする奥深い設定、特徴的なキャラクター達に魅せられた人達がいるのも事実。

 そんな訳で、今回はちょっとばかしストーリー、用語、キャラクターの簡単な説明をしたいと思います。



〇あらすじ


 まずは例によってあらすじから。
 舞台は近未来。かつて人類は火星人と接触し、友好の証として自らの顔を火星人に譲り渡す「顔の契約」を結び、それ以来人類はみな犬の顔になりました。(ついでに尻尾も生えました)
 しかし火星人は顔を手に入れた事が祟ったのか、程なく滅亡。契約の証拠として火星人がかれらの母星に残した人面岩「ザ・フェイス」だけが、ただひとつ現存する人の顔となってしまいます。

火星の人面岩
一時期話題になった、火星地表の人面(に見える)岩。(wikipediaより)
(NASA/JPL/University of ArizonaUser:Anton (rp) 2005 - Image:Martian face viking.jpg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=75311による)

 やがて火星は罪人の流刑地として利用されるようになり、さらに時を経て彼らがコロニーを築いたところで、話は始まります。


 火星はいま、再始動した地球化計画の舞台となっていました。
しかし火星は、邪念を引き起こし妄想をかきたてる「イーブルマインド」と呼ばれる邪気を秘めています。
また10年前の計画の際に送り込まれた先遣隊は、隊長ガリル大佐の
『神は死んだ、光の私』
というメッセージを最後に音信不通に陥り、それ以来化物や終末の噂が出回っていました。

 そんな状況下で、主人公ライカを含む調査団(たった4人ですが)は火星が安全であるという報告を上げる為、火星へと向かうよう命じられます。

 そして、クリスマスを迎える頃。火星に着陸しようとしたロケットは、さっそくイーブルマインドの洗礼を受けようとしていたのでした・・・。



 どうでしょうか?「顔の契約」や「クリスマス」という言葉の響き、なんだかワクワクしませんか?ちなみに、ここまではまだ非常に分かりやすい部分です。




〇登場人物


・ライカ

 このゲームの主人公で、宇宙航空隊の新人無線技士です。

 普段は自他共に「ライカ」で通していますが、これはニックネームです。
本名はプレイヤーが入力した名前になるものの、ロシアっぽく語尾に「~ノフ」が付くので、意識しない限り変な名前になってしまいます。イチロウノフとか。

 作中でも特に寡黙な人物として描かれており、「はい/いいえ」みたいな選択肢くらいしか喋りません。古風なRPG的主人公ですね。

 そして最大の特徴が、3人の人格を持つ多重人格者であるという点。
ゲーム中はこの人格を切り替えながら進めていくことになります。(後述)


 ちなみに、キャラクター名の由来は多分宇宙犬ライカでしょうね。詳しく知らない人の為に簡単に説明すると、実験の為に宇宙に打ち上げられたソ連のワンちゃんです。クドリャフカという名前の方が有名らしいです。

・タトラー

 宇宙船の船長であり、調査団のリーダーです。
 最も年配なのですが、ちょっとした事でイライラするような言動が多いです。責任感の裏返しですかね。


・ヌーン

 ロケットの機関士で、粗暴かつ陰険な言動の目立つ古参隊員です。
 イーブルマインドの影響も隊内で最も顕著です。洋画でよくいるいじめっ子って感じですね。
ただ、着陸後の調査でも重要な案内役を任されており、結構実務では重宝な人物かもしれません。


・エイプリル

 若き地質学者にして、本作のヒロインです。優しい。
 犬の顔という難しい造形にも関わらず、当時としてみればかなり美人なグラフィックだと思います。


・ガリル大佐

 10年前に音信不通となった先遣隊のリーダーです。現在の生死は不明。
物語の謎に深く関わっているようです。


・コロニーの人々

 現在の火星の住人です。その出自は流刑者および密航者たち。コロニーも元刑務所です。
「酸素屋」ヘロデらを中心に、恐らく独力でコロニーを営むタフな人々です。
地球化計画の上では重要な存在ですが、その過去から地球人、特にライカ達のような刑務官・警察官を想起させる制服を着た存在には敵対的です。



〇三悪

 イーブルマインドが引き起こす邪念には3種類あり、それぞれ
力悪・アニマル系
知悪・サイコ系
欲悪・ビジュアル系
と呼ばれます。
 当然ながら、火星の住人はみなこのいずれかの悪に支配されています。


 そして多重人格者であるライカの人格もまたこの三悪に対応しており、ひとつの邪念が溜まり続けるとそれぞれの人格が表に現れる(顔、髪色、体格まで変化します)「人格変容」を引き起こします。
 ちなみに、ライカはこれらの人格については全く知らないようです。


・アニマル系

 思い通りにならないと力に訴える、直情的で暴力的な悪です。
 主に酒場『ナイトプラネット』に出入りする住民がこの悪に支配されています。

 対応する人格は「アーネスト」。
彼が表出すると髪が赤く変色し、体格も筋骨隆々として特定の障害物を破壊できるようになります。やはり荒っぽい性格ではあるものの、そこまで野蛮ではないという印象です。
これは他の人格も同様で、どの人格も住民ほどには歪んではいません。っていうか同レベルだったら話が進まない。

・サイコ系

 自らの知性に酔い、思想・・・というか妄想の正しさを妄信し、理解を示さない他者を蔑む悪です。
 主に金星人に救済を求める『サイコハウス』の人々がこの悪に支配されています。イメージとしてはカルト信仰ですかね。
個人的には三悪の中で最も会話の内容が支離滅裂だと感じます。会話というより自問自答か演説に近く、質問にも一人で納得したり考えたりするばかりでまともな受け答えは期待できません。

 対応する人格は「スペーサー」。
青髪で猫背の人格です。火星人が残した扉を通れるという特長を持ちます。
また意外と社交性が高く、知能も高いので何言ってるか分からんサイコ系住民からも情報収集を行えたりします。
 三人格の司令塔でもあり、ライカが見聞きした事もよく記憶しています(他の人格は断片的にしか認識できないようです)ので、ストーリー上の役割も比較的大きいです。


・ビジュアル系

 外見(ヴィジュアル)=美しさに固執し、整形を繰り返す悪です。
 それって悪なの?と思われるかと思います(ゲーム中でも突っ込まれます)が、要は虚栄心ということのようです。
作った顔の名前も『ヴァニティ(虚栄・うぬぼれ)フェイス』ですし。

 また、少なくとも火星においては「美=人の顔・醜=犬顔」を意味します。
そして同時に火星人滅亡の原因となった人の顔は禁忌ともされているらしいので、背徳的な誘惑に走ってしまった人々、という事でしょうか。
 しかも、それ程までに外見にこだわっているにも関わらず、(むしろだからこそ?)ビジュアル系住民は特に鏡を嫌うという傾向にあるようです。
自分のうぬぼれを壊さない為に真実から目を背けていると考えると、確かに不健全ではありますね。

 とは言え、火星に鏡が極端に少ないことや、作中の会話の雰囲気から、犬顔を嫌っているのはビジュアル系だけはないように感じます。整形に及ぶのがビジュアル系というだけで。

 さておき、そんな禁じられた手術を行う整形屋『リャンハウス』に出入りする住民がこの悪に支配されています。

 対応する人格は「ヨランダ」。
金髪の女性人格です。ハッキリと物を言う姉御肌という感じの人物です。
ゲーム的特徴としては、謎の人物があちこちに残したメッセージ(顔?)を受信することができるという能力を持ちます。


※人格変容のルール
 前述の通り、主人公ライカは住民達と接触する度に悪が溜まっていき、やがて人格変容が発生します。
 が、その溜まり方がちょっと素直じゃありません。

 アニマル系住民と会話→サイコ系悪が溜まる
 サイコ系住民と会話→ビジュアル系悪が溜まる
 ビジュアル系住民と会話→アニマル系悪が溜まる
 …と言う風に、三すくみの要領で悪が溜まるのです。




〇終末と5つの預言(若干ネタバレあり)


 おお、何かファンタジックな見出し。

 前述の通り、火星には終末的雰囲気が蔓延しています。
火星の人々は酒に溺れたり、金星人に救いを求めたり、整形によって自信を付けたりする事で精神を安定させています。

 その元凶ともいえるのが、先遣隊の生き残り「メディスンマン」達から教えてもらえる『黒い騎士の噂』と『エレミヤの預言』です。

 初めに聞かされるのは、前者の
「黒い騎士が各地で悪を集めており、それが完全な悪となったとき、世界が終わる」という火星で広まっている噂についてです。

 しかしその後、流刑者エレミヤが残したという
「完全なる善と完全なる悪が出会うとき、世界は再生される」という5つの預言と共に、
黒い騎士もこの預言の一部だと教えられるのです。

 ひとまず成り行き上、この預言を集めていくことが当面の目的となっていきます。

 ところで、エレミヤだとか預言だとか終末の騎士だとか、かなりキリスト教に関連するワードが出て来ている事にお気付きかと思われます。
考えてみればクリスマスもそうですね。

 キリスト教に詳しければもっとより深くストーリーを理解できるのかもしれません。




 とりあえず、今回はこんなところですね。
 それでは。

2022年8月6日土曜日

奇ゲー「ガラージュ」のストーリーなど

 よくブログとか実況で唐突に上げなくなる人いるじゃないですか。あれ何かモヤモヤしますよね、消息不明みたいな感じでハッキリしないっていうか。


 まあ僕のことなんですが。

 という訳でお久しぶりです。


 最近「garage(ガラージュ)」というゲームをやってまして、東脳の時みたく備忘がてらあらすじをまとめたいなと思いまして久々にログインしました。

 ガラージュの最大の魅力は何と言ってもその雰囲気。カラカラ、プシューといった音や錆び錆びの金属、淀み切った水、至る所に貼られた看板。数十年前の時代をほうふつとさせる閉塞感のある雰囲気はかなりイイです。

 が、このゲーム、開始直後から固有名詞が矢継ぎ早に繰り出されるので初見だとストーリーが掴みにくいと思うんです。

 もちろん、よく分からないまま彷徨うのも、その内に曖昧な認識がはっきりとしてくる感動も楽しさのひとつではありますが、あまりにもわからん状態だとモチベーションが上がらない、という人もいるかと思います。

 てな訳で、あまりネタバレにならない程度にあらすじと用語説明をしていきます。


あらすじ

 まずは公式playstoreの説明より。

精神治療装置ガラージュにかけられた主人公は奇怪な世界に放り込まれ、そこからの脱出を目指す。

「ガラージュ」この奇妙な装置は被験者の深層意識に働きかけ奇怪な暗闇の世界を作り出すのだと言われている。

主人公が放り込まれたのは、崩れそうな木造建築物と 錆びた金属とあらゆる場所が汚水で満たされた閉ざされた空間であった。 

そして自分自身の体も機械とも生物ともつかないものに変わり果てているのを発見する。

複雑な構造の迷路のようなこの世界を主人公は彷徨う。

この世界の出口を求めて―。


 つまり、ゲーム中に出てくる世界、登場人物、道具などは全て被験者の精神から生み出されたものという事でしょう。

 そしてオープニングムービー。医師と思われる人物の発言からその被験者の名前が「ヤン」らしいこと、ヤン氏は「ウンドウグツ」に何らかの執着があるらしいことがほのめかされます。

 で、ゲーム開始直後の画面がこちら。

 ドギャァァァン
 「なにこれ?え、これ俺?マジ?」となる事うけあいの衝撃ビジュアル。知っていても一瞬ビクッとなります。

 さておき、自分あての手紙や近くに貼られたメモから、

自分は「汚水」から「シェン」という人物(機械)によって助け出されたらしいということ。

この世界から抜け出すには「カゲ」を見つけなければならないこと。

そのカゲに会うためには「プシケ」という人物が手掛かりになるかもしれないということ。

などなどの情報を得られます。

 そこでプレイヤーもまたシェンの後を追い、プシケなる人物を求めてガラージュ世界へと足を踏み出すのでした。


用語

 あらすじで分かる通り、このゲームの固有名詞はかなり多いです。といってもじき慣れますが、まずは重要なものを説明しましょう。

燃料(fuel)と順応度(ego)

 どちらかが0になれば「解体」つまり死亡、ゲームオーバーです。それぞれ「白瓦斯屋」「順応堂」という施設で回復することができます。

 燃料の白瓦斯は尽きるまで悪影響が無いのですが、順応度の方は減ると会話ができなくなり(オトヌケ)、もっと減ると記録がつけられなくなる(ウデヌケ)といった支障が生じますので早めに回復しましょう。

 ただ、完全版(アプリ版)ではオートセーブなのでそこまでの痛手ではありませんが。どちらかというとオトヌケの方が厄介です。ストーリーが進まなくなるので。

 燃料はともかく、順応度ってなに?と思われる方は多いと思いますが、「自我」とか「正気度」くらいに捉えればとりあえずOKです。残念ながらギムノン(順応堂の店主)以上の説明ができる気がしないので詳しくは彼に訊いて下さい。


メーター

 右上についている目盛りです。ガラージュ世界では、このメーターの「針の位置」と「何周目か」が時間の基準となります。

 住人のスケジュールも全てこのメーターに従っている為、あちこち移動するような機械でも、メーターを見ればその居場所を把握する事が可能です。(いつどこにいるかを覚えていればの話ですが)


雄機械と雌機械

 このゲームに出て来る機械にはなんと性別があります。

 雄機械は燃料タンクと大きなエンジンによって遠出や力仕事が可能ですが、自分で白瓦斯を生産する事は出来ません。主人公はじめ、作中の機械の大半が雄機械です。

 雌機械は蟹や蛙を発酵させて白瓦斯を精製する装置を備えていますが、その分運動性能は劣ります。中には雄機械と夫婦のように暮らしている者もいますが、作中に出て来る雌機械の半数近くは白瓦斯屋で働いています。


ビンドウ

 水棲「機械」のうち、蟹を捕らえるための罠です。蟹は同じく水棲機械である蛙の釣り餌にもなります。

 蟹や蛙は交換所で売れるほか、蛙釣りは雄機械たちのメジャーな娯楽のひとつとなっています。ただ、最初のうちは出力不足であまり楽しめませんので、小さなエサと針で改造資金をちびちび稼ぎましょう。


ガラージュ世界

 ガラージュMAPは「汚水」「施設」「軌道」の三つに区分する事ができます。

汚水

 ガラージュ世界のほとんどを占めるのが汚水です。その正体は雌機械が白瓦斯を生産した後の搾りカス。しかしこの汚水がなければ蟹や蛙などの水棲機械が生息できません。すなわち白瓦斯の枯渇、ひいては全滅に繋がる訳ですから、かなり重要な要素のひとつですね。


施設

 「崩れそうな木造建築物」とは言え、このゲームの施設は意外とバラエティ豊かです。折角なのでいくつか紹介していきましょう。

●白瓦斯屋

 雌機械から白瓦斯を補給できる、言わばガソリンスタンド。この世界での通貨となっている「白瓦斯屋スタンプ」という名称からもこの施設の重要性が伺えます。

●順応堂

 順応度を回復できる場所です。

 順応液に全身を浸す「順応器」と、メリーゴーランドのような「木馬」という二種類の装置を備えています。木馬の方がお高めですが、効果は多分同じです。

 アドバイスとして、冷却室はマメに覗きましょう。システム上いつも無人に見えますが、実は中で住人が涼んでいる、という事も多いです。

●マルヤ百貨店

 ひときわ目を引く中心的建物。と言っても売っているのは薬・パーツ・釣り具・雑貨といった程度ですが、それでも作中で指折りの巨大建築です。

●工場

 目盛りや配管がひしめく、独特な雰囲気のある建物です。ただしゲーム開始時点では入れません。

 ちなみにトップ画面の配管だらけの場所はこのマップです。

●清流荘・福寿荘

 一風変わった名前のこれらはいずれもアパートです。二つの建物は二階で繋がっていたのですが、福寿荘のエレベーターが故障しており通り抜け不可。

 清流荘には工場および百貨店で働く機械が住んでおり、決まりきったタイムテーブルで職場と部屋とを行き来しています。部屋の前にはメーターのようなものがついていますので一目瞭然です。

 地味に広いのでうかつに入ると燃料や順応度が尽きて死にます。


軌道

 そして汚水を越えて場所と場所を結ぶのがこの軌道。台車で進む機械はレールが敷かれている場所しか進めませんので、大袈裟に言えばこれがガラージュ世界の範囲を決めている、とも言えます。

 ただしこの軌道(の、少なくとも一部)はここの住人によって敷設されたものです。頑張れば拡張できるのですね。

 ゲーム中、たとえ建物が続いていそうでも気になる場所があっても、軌道が無ければどうやっても進めません。この「行けない範囲」が逆に想像を膨らませるのかも。


 また、外周・内周と呼ばれる二重の環状レールですが、ゲーム開始時にはプレス機によってかなりの区域が封鎖されてしまっています。タイミングを計ってすり抜けようとしてもムダですからプレス機を止める方法を探しましょう。

 あとは外周・内周で視点の向きが変わりますので、慣れないうちは迷いやすいのでご注意を。コツは看板をよく見て、自分の進みたい方角がどちらかを考える事です。


似ている名前

 薄々感じているとは思いますが、このゲームに出てくる人名は中華風・和風・洋風エスニックと分かれています。

 特に重要な人名を間違えるとわけわからんことになりますので、重要人物「ヤン」絡みで似ている名前を挙げてみましょう。

●シャン

 白瓦斯屋で働いている雌機械のひとり。

 三人娘の中では一番顔がこわくない(個人的感想)。

●チェン

 廃墟区域に入り浸っているやさぐれ機械。

 ヤンと関係があるのがまたややこしい。

●シェン

 主人公の恩人。見ず知らずの主人公に家を明け渡しちゃうちょっと不用心な人。

 余談ですがゲーム開始当初、明らかに他人の家なのにいきなり「自室」と呼ぶ主人公はどうかしてると思ってました。

●ハン

 既に閉鎖された印刷所のおやじ。

 珍しい一つ目。


その他、紛らわしい名前

●アーサン・ターサン・ハーサン

 工場で働いている三人組。名前は非常に似てますが、間違えても特に問題はないです。

●ちよ・ツル

 ちよは福寿荘の住人(おかみさん?)。ツルは宮という機械の奥さん。古風な二文字の名前というだけですがよく間違えました。


 このゲームが放つものすごい雰囲気と世界設定のあまり、プレイ中は目先のイベントに気を取られ、ついついどんな謎を追っているか忘れがちになりますよね。僕がアホとかそういうあれじゃなくてね。ね。

 そこで、メモ的に最序盤で登場する謎を整理しました。

ガラージュの「過去」

 ゲーム開始直後から分かる事ですが、作中の世界は「何かがあった後」の世界です。それも、誰しもが巻き込まれるほどの大事件が。

 少し気にかけてみると、ふとした会話からでもその巨大な騒動の余波を伺う事ができます。

 まあ精神治療装置の世界なのですから、治療の必要を生む何かがあった、というのは考えてみれば当然ですね。

 「事件→ガラージュ起動→ガラージュ世界生成」という時系列を考えれば、何かがあったという「設定」と呼ぶべきかもしれません。

 まあこの世界を舞台とする限り、プレイヤーにはどちらでも同じことですが。


ヤン

 言うまでもなく、オープニングで出てきたガラージュの被験者ですね。

 そしてゲーム内では、ハジメという機械からプシケと仲の良い、白瓦斯屋のあるじとしてその名前が出てきます。

 ところが、白瓦斯屋を訪ねてみても会えるのはウリブールという別人。もちろん「ヤン・ウリブール」とかいう名前ではなく、全くの別人です。

 ここでプレイヤーの頭には、

 他にヤンがいるならば、ヤンの精神世界であるこのガラージュ世界は彼のものなのか。とすれば、自分が操作しているこの機械は何者なのか。

 そして、ヤンはどこで何をしているのか。いきなり放り出された主人公と違い、白瓦斯屋の店主という役割を与えられているのは何故なのか。

 といった疑問が浮かぶことでしょう。

 なお、僕は開始数秒で名前を忘れていたので全く気付きませんでした。


カゲ

 あとは、カゲというのも謎ですね。

 なぜカゲと出会えばこの世界から脱出できるのか、そもそもカゲとはどういった存在なのかも分かりません。

 ただ、シェンもまた自分のカゲを探している以上、カゲがあるのは自分だけではないらしいと分かります。

 しかしガラージュ世界はヤンの精神世界。つまりヤン以外に脱出経路、メタ的に言えばNPCにクリア方法が用意されている訳はありませんが……。

 といった疑問が生じますね。

 こちらもプレイ中は全く疑問に思いませんでしたが。


 とりあえず、今回はここまでです。久々に長文を書いたら疲れました。


 それでは。

2019年12月22日日曜日

『将軍の栄光』作戦元ネタ解説(第十回・ベルリンの戦い)

 お久しぶりです。前回の更新から何か月経ったか、自分でも怖いくらいです。
 実は最近、Cドライブの調子がおかしくてですね。アプリケーションやらピクチャファイルが消滅したり、保存していたドキュメントが文字化けしたりと結構怪しい感じです。
 ウイルスバスターをかいくぐっているのか単なるクラッシュか、という感じですが、ともかくその為にブログ用のメモやら図やらがあちこち壊れまして。
やる気が思いっきりへし折られた&罪悪感でブログのページを開けない、という精神状態になってしまいました。

 そんな訳で、更新が閉鎖レベルまで落ち込んだ事を深くお詫びし、短いながらも謝罪の挨拶とさせて頂きます。


 前回は『バルジの戦い』でしたね。もう昔過ぎて覚えてねーよ、という方。ごもっともです。もしお時間があればご覧ください。
 まずは事前に状況をざっと説明しておきます。1945年3月末、英米軍はヨーロッパをほぼ分断するライン川以西をほぼ完全に制圧していました。しかし対するドイツ軍は、「近づかれたら橋を爆破する」という作戦を徹底し、英米軍の侵入を防ごうとします。
 その為、進撃を続けるにはまたしても上陸作戦のような船による渡河をしなければならない(と思われている)といった具合でした。

 さて、バルジの戦いが失敗に終わっていよいよ窮状極まるドイツ軍でしたが、ここでライン川のダムを爆破するというとっておきの手段に。渡河不可能の大洪水を前に、英米軍は停止を余儀なくされます。
 その隙に、ドイツ軍は東のソ連軍を退けようと最後の反攻作戦に打って出ました。しかし春の泥濘では機甲部隊も役に立たず、あえなく失敗。そうこうするうちにライン川の氾濫も治まり、とうとう英米軍がベルリンへ向けて再び動き出してしまいます。

 まずはモントゴメリー将軍率いる北方担当イギリス軍(と、その指揮下のアメリカ軍一部)。こちらは至って順当に、船を用いた大規模渡河作戦を実行します。この際行われたのが「ヴァーシティー」と「プランダー」という二つの作戦で、大雑把に言うと渡河部隊、援護する空挺部隊の合同作戦です。空挺好きだなこの人。
 マーケット作戦・ガーデン作戦の反省を生かしてか、実に入念な準備を持って実行に移します。爆撃、砲撃を行った後の空挺作戦は抵抗を受けつつも成功し、無事渡河を完了しました。
チャーチル首相、アイゼンハワー将軍、モントゴメリー将軍の三人でランチを食べながらその様を眺めていたというのですから、その余裕ぶりも伺えます。

 一方のブラッドリー将軍率いる南方担当のアメリカ軍ですが、こちらは何と無傷で残されている橋を発見しました。それがルーデンドルフ鉄道橋、別名レマーゲン鉄橋です。
 アメリカ軍の接近を受けてここでも爆破が試みられましたが、物資不足が祟り橋を落とす事が出来ませんでした。しかもそれに出くわしたのがパットン将軍配下の第三軍。例によって果断即決ぶりを見せ、橋を守るドイツ軍を退けて橋を確保します。
 こうして、奇跡とも呼べるラッキーによって、難無く橋頭保を作り上げる事に成功しました。この後、ドイツ軍は執拗に橋を攻撃し、やがて十数名の米兵と共に沈没します。しかしその頃には浮橋も完成し、意味はほとんどありませんでした。


 それら英米軍の渡河によりドイツ軍の戦線は崩壊、取り残された部隊はあちこちで包囲、降伏してしまいました。その中にはドイツの一大工業地帯、心臓部とも称されるルール地方も含まれています。エルベ川西岸まで快進撃は止まらず、1945年4月、とうとうベルリンを目前にします。しかし、実は連合軍の総司令部では一つの取り決めがありました。それは「ベルリンはソ連が落とす」というものです。
なぜかと言えば、やはり戦功としてソ連の占めるところが大きかったからというのが一つの理由です。
何せ、ソ連軍は一度の戦いで100万以上の兵を動員している事も少なくないのですから(因みに、ノルマンディー上陸~パリ解放、ファレーズ・ポケットまでの参加兵力はおよそ200万人だそうです)、多くの犠牲を出した国が一番の栄誉を得るべしというのも理解できます。
もちろん、軍事的な見地からも十分に考えられた末の結論だろうとは思いますが、イギリスは案の定猛反対しました。

 ともあれ、アメリカ軍はベルリンより南、ドイツ南部からオーストリア、ハンガリー方面へと兵力を向けます。
 そして、ソ連軍とアメリカ軍はエルベ川南方、ドイツ東端で邂逅。西部戦線と東部戦線が初めて結びついた瞬間、これがかの有名な「エルベの誓い」です。イギリス軍は北方で進軍を続け、リューベックやハンブルグに到達しますが、こちらでもソ連軍と合流して進軍を停止。この直後、ナチスドイツは降伏しました。

 さて、その決定打となったベルリン侵攻作戦は1945年4月中旬より、前述の通りソ連軍によって開始されました。ヒトラー総統は市民を避難させる事も無く、全てを道連れにしようとしていたとか。内部のゴタゴタ等で当初は大きな損害を被っていたソ連軍でしたが、それでもオーデルおよびナイセ川を渡り、4月25日にはベルリンを完全に包囲。
 その後は完全な掃討戦です。親衛隊や少年兵が建物の屋上や地下に潜み、機銃や狙撃銃、対戦車砲でソ連軍を迎え撃ちます。多くの市民を巻き添えにしながら激しい戦闘が巻き起こりますがソ連軍の歩みは止まらず、郊外から市内中心部、そしてとうとう国会議事堂へと雪崩れ込みました。
 唯一の希望はヴェンク将軍、ブッセ将軍らによる外からの包囲突破でしたが、それも失敗。
傀儡国家サロ共和国を指揮させていたムッソリーニ大統領の死亡、そして寵臣ヒムラーの裏切り、および救援が完全に頓挫したと聞いた後の4月30日、ヒトラー総統は愛人と共に自殺します。

 5月8日、大統領を後任したデーニッツ将軍が西側連合国と、国防軍代表カイテル将軍がソ連との降伏文書に調印し、かくしてナチスドイツは崩壊したという訳です。



 では、『将軍の栄光』ではどうだったでしょうか。と言っても覚え書きやあいまいな記憶をメインにしていますので、かなり大雑把になったり間違ってたりしてそうです・・・ご勘弁ください。
 まず、自分が操作するのはアメリカ軍ですね。マップ左端にシュツットガルト、ケルン、上にはオスナブリュックがありますが、ケルンを除けば全てライン川東岸にある都市(のはず)です。ルール工業地帯はデュッセルドルフなどだそうですが、マップ上には恐らく存在しません。
 史実通り、アメリカ軍が担当するのはベルリン以南、イギリス軍がベルリン以北を担当しています。何故かフランスも北にいますがまあそれは良いでしょう。
 またベルリンについても史実通りソ連軍が『我が軍に任せてもらおう』みたいな事を言いますが、結局自軍で落とす事になりますね。こちらはゲーム的に致し方ないかと。あ、プラハは確かソ連が占領していたと思いますが、これもまた史実通りです。

 さておき、自軍のルートとしては(僕は)主にフランクフルト→ベルリン→ハンブルグやロストック、という順番で進んでいたと思います。縮尺が小さすぎるのは否めませんが、東西戦線の合流点としては意外にもけっこう一致していたのかな?と思います。
ベルリン市街戦はIFストーリーとして考えればアリなんじゃないでしょうか。

参加将軍は・・・確かゲーリング将軍やマンシュタイン将軍がいましたね。どちらもベルリンでの戦いではその場にいなかったはずですが、オールスター感のあるメンツだったと記憶しています。こうなるとロンメル将軍がいないのが逆に違和感。・・・いませんでしたよね?

 それでは。

2019年7月4日木曜日

攻略ゲーム選定!『1944 Burning Bridges』

お久しぶりです。最近ちょっと忙しく、ついブログ更新を後回しにしてしまいました。ホント遊ぶ暇もありませんでしたので。
と言っても、ブログのことを忘れていた訳ではありません。実は私、新しく攻略記事を書くアプリを探していたのでした。

で、遂に選びました!既に何ステージか進めましたが、初見殺し的な展開が結構あり、中々難しいゲームです。さっき遊ぶ暇も無いとか言ってなかった?というツッコミは聞きません。

それがこちら、HandyGames社様の『1944 Burning Bridges』です!基本料無料(これ重要)。

実はこれ、以前コメント欄で薦めて頂いたシリーズの一つなんですよね。その時は独ソ戦がメインでしたが、こちらはノルマンディー以降の西部戦線が主題となっています。
さてこのゲーム、基本的には一般的なターン制ストラテジーゲームです。歩兵・車両系、戦車系、大砲系、航空機系に分類されるユニットを操作し、敵を撃破または拠点を占領していくことになります。

ていうかこのシリーズは以前も紹介したので、そちら(Frozen Front)をご覧ください。システムはほぼ同じです。
細かな差異を挙げるとすれば、輸送トラックがMGトラックに改良出来るようになった、くらいですかね。正直大分前の記事なので記憶が定かではありませんが。


が、唯一大きく異なっている部分が、火炎放射歩兵、そして工兵の存在です。
火炎放射歩兵は、要塞砲やバンカー(掩体、トーチカ)などに潜む敵を一瞬で撃破できる特殊なユニットです。一撃必殺!って感じで非常に気分が良いですが、それだけではありません。
撃破するのはあくまで配備された敵だけ。すなわち設備が無傷に近い状態で残されるので、そのままこちらの防衛拠点として利用できるのです。
半面、射程は隣接ヘックスのみ。さらに打たれ弱く、高価という欠点を持っています。

工兵は非常に多彩な能力を持つ支援ユニットです。
戦車など機械系のユニットを回復できる他、地雷を設置・探知・解除する、鉄条網や簡易のバンカーや塹壕を作成する、橋を落とす、壊れた橋を修復するという能力を持つため、シナリオによってはこのユニットの存在が不可欠なものも少なくなさそうです。
特に地雷は踏むとそのユニットの行動が終了してしまうので、かなり厄介でした。
当然ですが攻撃能力はほぼ0です。唯一バンカーに対してはかなりの威力を発揮するのが細かいですね。あとやっぱり高価。


まあ細かい所はおいおい追加するとして、シナリオ攻略を進めていきたいのですが・・・その前に「ゴールド」の存在に触れなければなりません。
前記事でも触れましたが、このゲームにおいてゴールドはあらゆる行動のコストとして使用するもの。難易度を左右する要素なのですが、このゲームにおいては全ステージ共有となっています。
つまり、簡単なステージでチマチマ稼ぎ、圧倒的な資金力でクリアに持っていく事も可能でしょう。
ですが、それはちょっと面倒くさいというかモチベーションが上がらないというか、見てても面白く書ける気がしないので、ある程度のルールを設けたいと思います。
ズバリ、「ステージごとに支給される+敵を撃破した時に得られるゴールド」だけでクリアする!
……ようにしますが、出来ない事も多々あるでしょう。その時は謝りますので大目に見てください。
後は全ミッションをクリアするつもりでいます。今のところは。

ボリュームがすごいのでどのくらい時間がかかるかは分かりませんが、チマチマとやっていきますのでどうぞよろしくお願いいたします。

あ、あと元ネタ解説もそのうちに。まだ若干忙しいので…

それでは。

2019年5月1日水曜日

『将軍の栄光』作戦元ネタ解説(番外編・バルジの戦い)

 お久しぶりです。今回も『将軍の栄光』のステージ元ネタ解説を…と思ったら、何と西部戦線で残っているのはあと一つ、『第三帝国の運命』だけでした。このステージは連合軍総出でベルリンを落とすという、まさに最終決戦という感じのシナリオになっているんですが、実は史実だとベルリン周辺に攻め込んだのはソ連だけなんですよね。しかもベルリン市街戦はゲリラ的な戦いなので、元ネタ解説というほどのものでもないな、と。

 そこで、いっその事、西部戦線末期の大まかな動きを書いてしまおうと思い至りました。で、折角なので映画にもなった「バルジの戦い」も解説したいと思います。言わば番外編ですね。
 ※基本的にはWikipediaの内容が大部分です。ただコピペではあまりに芸が無いので出来る限り平易かつ自分の言葉で解説させて頂こうかと思います。

 さて、前回のマーケットガーデン作戦からおよそ3ヶ月。西部戦線はいよいよドイツ本土に達し、ソ連軍もポーランドへと押し寄せ、ドイツはもう占領を待つばかり、といった状態でした。
 しかし、一方で連合軍はマーケットガーデンの失敗もあって侵攻が停滞、ソ連軍も大攻勢が一段落ついたところです。対するドイツは本国が近づいた事で素早い対応が可能になり、まさしく反撃の好機にありました。

 そんな中、総統ヒトラーが強く主張したのがこのバルジの戦い、正式名「ラインの守り作戦」でした。ちなみに、東部戦線は広すぎて一部の反撃に成功したところで趨勢に影響しない、という理由で却下。
このラインの守り作戦の目的は、一言で言えば「フランス侵攻の再現」です。ベルギーにあるアルデンヌの森を通過して、連合軍の補給路を断ってダンケルクで孤立させた、あれです。

この作戦でも、アルデンヌから突入し、電撃的に進軍してアントワープを奪取し退路と補給路を断ち、北部方面軍を孤立させ侵攻を頓挫させて、これを以って英米の戦意を挫き、講和を結ぶという大胆な計画を立てていました。


 事実、森林地帯で装甲部隊が通る事も無いアルデンヌ地方ではほとんど戦闘も無く、担当のアメリカ軍でも休養地、再編成の場と化していますから、あながち的外れな計画とも言えません。
また、連合軍はこれまで無線を傍受してドイツ軍の動きを読んでいたのですが、それに気付いたドイツ軍がこの頃には書面に切り替えていたので、それが出来なくなってしまっていました。おまけにそれを「ドイツ軍はもう組織的抵抗が出来ない」と勘違いしてしまったのです。


 この作戦の最大の障害は何と言っても戦力が足りない事でした。が、傷病兵、志願兵、少年兵、などなど、ドイツ軍はなりふり構わず兵を搔き集めました。工場もフル稼働し、内外が予想したよりも多くの戦力を整える事に成功したのです。
とは言え、フランス侵攻の時と違って制空権を完全に連合軍が握っている事と、兵力の面で圧倒的にドイツが劣っているという事実に変わりはありません。

それに加え、燃料が足りないので連合軍から奪うしかなく、迅速に補給基地を奪取出来なければ敵の増援に捕まり壊滅させられてしまうという危険をはらんだ楽観的な作戦であるというのも否めない点ではあります。

という訳で、ドイツ軍将校も作戦の実行に反対でした。が、それは総統ヒトラーと作戦本部に受け入れられず、とうとう作戦は実行に移される事になりました。

 1944年12月16日、爆撃機を飛ばせない悪天候の中、ドイツ軍はアルデンヌの森を通ってアメリカ軍を急襲します。突然の奇襲、それも電線切断などの妨害もあり、アメリカ軍の各部隊は全体像も分らぬまま必死の防衛を強いられます。その抵抗は予想外に激しく、あっさりと侵入した地点もありましたが、そうでない地点もいくつか存在していました。

 連合軍の対応も早く、最初こそ陽動を疑っていたアメリカ軍でしたが、各国首脳に相談する事無く予備部隊を急行させるなど、ドイツ軍の予想より早い対処が為されました。
指揮系統整理の為に北部のアメリカ軍をいったんモントゴメリー将軍の指揮下に置くという、国に拘らない柔軟さも見せています。


 続々と現れる救援と激戦を続け、ドイツ軍の作戦は遅延を続けます。

 作戦中で最も有名なエピソードが「グライフ作戦」でしょう。アメリカ軍の軍服を着るなどの偽装をした部隊が、アメリカ軍陣地に潜入して看板の向きを変えたり、偽情報を流したりといった妨害工作を行った作戦です。もちろん条約違反ですが、まあ今更ですね。
 これのせいでアイゼンハワー将軍が暗殺を防ぐために軟禁状態にされたり、ブラッドレー将軍が「イリノイ州の州都」という質問に「スプリングフィールド(正解)」と答えたのに兵がシカゴだと勘違いしていた為に勾留されたり、モントゴメリー将軍が監禁されて激怒したりというエピソードが生まれました。

 それともう一つ。バストーニュ周辺の攻防戦です。ここは7本の道路が交わる交通の要衝であり、絶対に落とさなければならない地点でした。圧倒的な兵力差にも関わらず、アメリカ軍は抵抗を続けます。そしてドイツ軍がやっとバストーニュを包囲し、降伏勧告を行った時のマコーリフ将軍(師団長代理)の答えが「NUTS!」という非常に有名なセリフです。意味は「ふざけるな」又は「地獄に落ちろ」という感じだそうです。
宇宙戦艦ヤマトで沖田艦長が降伏勧告に「馬鹿め」と言うのは十中八九これが元ネタでしょう。
バストーニュは結局占領できず、本隊が先に西進するという決定がされました。

ですが、ドイツ軍の進軍はこれまででした。12月下旬には天候が回復し、爆撃機が再びドイツ軍を襲います。また、燃料も枯渇した所に連合軍の本隊が集結。ドイツ軍は次々と撃破され、退却していきます。
この際、前線が部分的に突出した形(バルジ)になったため、この戦いはバルジの戦いと呼ばれるようになりました。
結局ドイツ軍の到達地点は最大でも半分ほどでしたが、それも全て押し戻され、ドイツ軍最後の反撃は失敗に終わりました。


 マーケット・ガーデン作戦とは「時間が勝負の奇襲作戦」という意味で共通点があり、双方ともにウォーゲームの舞台によく使われます。そういえばどっちも映画にもなってますね。
しかし、なぜか『将軍の栄光』ではシナリオに採用されていません。なぜでしょうか・・・。


 実は平成のうちに更新したかったのですが、ギリ間に合いませんでした。
それでは、令和になっても「暇じゃないけど暇つぶし」をどうぞよろしくお願い申し上げます。

2019年3月13日水曜日

『将軍の栄光』作戦元ネタ解説(第九回・マーケット・ガーデン作戦)

 今回は「マーケット・ガーデン作戦」という作戦の解説です。「遥かなる橋」で映画化された作戦ですね。有名な映画なので聞いたことのある人も多いかと思われます。

 まずは状況から。
オーバーロード作戦とドラグーン作戦以降、連合軍は快進撃を続けフランスのほぼ全域を解放。1944年9月の時点で、戦線は北部がベルギー・オランダ間、中部がフランス・ドイツ間、そして南部がフランス・イタリア間に到達していました。

 しかし、連合軍を悩ませていたのが補給の問題です。
各地の港はまだドイツ軍が立てこもったり、あるいは破壊したりしていた為、連合軍は計画通りに補給港を得ることができませんでした。それで未だにオーバーロード作戦の際に用いた人工港や占領したシェルブール港に頼りきり。しかも上陸作戦の時に爆撃で鉄道を破壊してますから、前線にはトラックで運搬するといった始末でした。
そんな迂遠な方法では広大な戦線をさらに広げるのは難しく、攻勢は停滞してしまいます。

 そんな中で、北部方面を担当していた英軍のモントゴメリー将軍が強く主張したのが、空挺部隊が一斉に奇襲降下して進路を確保、すかさず陸上部隊が進撃し、ドイツ軍の防衛線を一気に突破するというものでした。
連合軍の基本方針は東部も含めて四方からドイツを圧迫するというものでしたが、これは一考に値するものでした。ベルギーのアントワープは補給港としては申し分ないのですが、川の対岸(オランダ)に陣取るドイツ軍が邪魔だったのです。その為、この地域の解放は連合国全体にとっても急務でした。また、ノルマンディー上陸作戦以降役割の無かった空挺部隊の活用にも繋がります。
が、連合軍司令部はこの計画を却下します。理由は二つ。まず、オランダ周辺は狭く、機動的な作戦に向かないこと。それから、モントゴメリー将軍に迅速な作戦遂行の経験が乏しいことがあったとされます。

 しかし、9月8日、とある事件が発生します。世界初の超音速弾道ミサイル『V2ロケット』によるロンドン攻撃が始まったのです。
何だか強そうに思えますが、実際は爆撃機に比べて不発は多い、威力は低い、射程は短い、命中精度は非常に低い、そのくせ発射コストは高いという代物でした。
しかし、その速度ゆえに当時の技術では迎撃はおろか避難すら困難で、「いつ自分の上に落ちてきてもおかしくない」という恐怖は、ロンドン市民や連合軍の将校に大きな精神的プレッシャーを与えました。
 そんなV2ロケットが発射されているのが当のオランダだったのです。そんな訳で最高司令部はオランダの奪還を決断。「マーケット・ガーデン作戦」が実行される運びとなったのです。
実際はもっと河川だらけ

 さてこの「マーケット・ガーデン」という作戦名、実は空の「マーケット」と陸の「ガーデン」という2つの作戦を合わせた呼称なんです。
まず「マーケット」作戦は3個師団を3地点(アイントフォーヘン・ナイメーヘン・アーネム)に降下させ、周辺の5つの川にかかっている橋を占領するという計画です。占領に失敗して橋を落とされでもしたら、大きな川だと侵攻自体が不可能になってしまいます。何が何でも成功しなければならない作戦でした。
そして同時に開始される「ガーデン作戦」は至って単純で、占領されている(はず)の橋を渡って機甲師団などが進軍、各地点の空挺部隊に合流して救出・回収するというものです。
オレンジが空挺地点。

これだけと言えばこれだけ。ですが、この作戦には様々な問題が潜んでいました。

  • 空挺部隊の負担が大きい
「ノルマンディー上陸作戦」を見れば分かる通り、空挺部隊というのは対空砲火などで簡単に降下地点から離れてしまいます。さらに戦車・重火器などを持たずに降りるため、味方から切り離された状態の、ろくな装備も持たない歩兵部隊と考えればその危うさの程も分かる気がします。
今回の作戦では、途中の橋を占領できなければそれより向こうに降下した部隊は孤立してしまいます。しかもこの作戦では「拠点防衛」という任務を与えられていますから、補給もなしに最大4日間橋を保持しなければなりません。(付け加えるなら、これは作戦が計画通りに進んだ、いわば理想的な状態での話です。)まあ一応重火器や車輌も投下する予定でしたが、果たして空挺部隊が本当に持ちこたえられるのか不安の大きい計画でした。

  • 準備不足
この作戦は急ピッチで進められたせいか、様々な準備が不足していました。何しろ1年以上時間をかけたノルマンディー上陸作戦にひきかえ、こちらは決行がV2ロケットの発射からわずか9日後の17日ですからね。
まずは空挺作戦に無くてはならないグライダー。これは必要な数の半分しか用意できませんでした。また実行後に発覚したことですが、無線機にも準備不足、確認不足があり、部隊間や航空要請など多くの通信が不能になってしまいます。
さらに、上で言ったような、橋の奪取に失敗して空挺部隊が対岸に取り残されるという最悪の事態をカバーする計画も立てられないままでした。

  • 楽観的な想定
もちろん、これらの欠点は歴戦のモントゴメリー将軍なら百も承知だったでしょう。それでも作戦が実行されたのは、ドイツ軍が崩壊寸前という前提によるものでした。実際、ファレーズ包囲戦以降ドイツ軍は連戦連敗でろくな装甲戦力も持っていないと分かっており、この少々無茶な作戦でも実行可能とされたようです。
 が、この前提は全くの誤りでした。この時、偶然にもドイツ軍は戦力を立て直していたのです。
孤立していた兵を救出し、敗残兵を集め、新規に部隊も加えて再編成を行っていたのです。さらに悪いことに、2個の装甲師団(武装親衛隊)がここで休養・修理を行っています。大きく弱体化しているとはいえかなりの戦力を保持していました。
実は、レジスタンスや偵察機の報告があったらしく、作戦幹部はこれに気づいていた可能性があります。
しかし、既に作戦が実行目前に迫っていたため無視されてしまったとか。見ない振りをしても解決にはならないのですが、組織ではよくある事かもしれません。

また防衛ラインとして前線を守っていたのはシュトゥデント将軍でしたが、彼はドイツ軍降下猟兵の創設者であり、ドイツ軍による最後の大規模空挺作戦「メルクール作戦」を指揮した人物でした。空挺作戦に対応するにはこの上ない適任者がいたという訳です。


 というような問題や不運(いずれも回避可能なものでしたが)を抱えながらも、1944年9月17日、作戦は実行に移されました。
最初の降下はおおむね計画通りに進み、ノルマンディーのように広範囲に散らばる事もなく、いくつかの橋は難なく占領できました。ドイツ軍は突然降って湧いた大量の空挺部隊に大きく混乱し、モーデル将軍などは自分を拐いに来たと勘違いした程でした。
しかし、SS師団や防衛ライン、兵力を増強した軍によって3地点全てが妨害を受けてもいました。アーネムでは何とか橋を占領したものの増援を待つために進軍が遅れ、アイントホーフェンでは撃退され、ナイメーヘンに至っては進撃を開始することさえできません。当然アーネムの部隊は孤立した状態になってしまいました。
さらに前述しましたが無線の不調によって部隊間の連絡がつかず、情報を確認しようとしたアーネムの師団長(アーカート将軍)が襲撃に遭い行方不明に。
まだあります。墜落した飛行機から作戦の計画書が流出し、奇襲効果はわずか1日目にして損なわれてしまったのです。

 というように、上述の不安はもれなく実現してしまった訳ですね。その後の経緯を大まかに話しておきましょう。
陸上部隊の方は道を塞がれたり、解放を喜ぶ民衆に邪魔をされたり(この光景はパリ解放等でも見られます。気持ちは分かりますが)し、進軍に後れを見せながらもアイントホーフェンで合流を果たします。しかし既に橋は爆破されており、工兵が架設するまで更なる足止めを食らいました。その間、アーネムで橋を占領していた部隊は師団内で孤立したままドイツ軍の猛攻でじりじりと後退していきます。
ナイメーヘンでは決死の渡河が行われ、橋に陣取るドイツ軍を挟み撃ち。見事占領に成功します。が、機甲師団が単独で進軍する事を拒んでいる間に、アーネムの部隊はついに降伏してしまいました。
その後は連合軍の優勢ではありますが、ドイツ軍はアーネムまでの補給路を執拗に攻撃し始めます。そのためアーネムへの進軍はできず、とうとうこの作戦の撤回が決定されました。
 その後アーネム対岸の空挺師団は渡河し脱出。派遣された増援によりドイツ軍は一掃されました。オランダの中に回廊を確保した連合軍でしたが、もはやその価値はほとんど無くなっていました。

結果としては、一般的には連合軍の作戦失敗とされます。なにしろ膨大な物資を割いたにも関わらず、ドイツに打撃を与える事が出来なかったわけですから。このせいでアントワープ解放も遅れ、全体の侵攻も滞るなどの悪影響が出ました。
しかし、モントゴメリー将軍は「9割方成功」と言い、一方のオランダ王子は「オランダにはもう一度モントゴメリーの言うような『大成功』を実現させる余裕はない」と語ったとか語ってないとか。
余談ですがアーネムの橋は、そこを守っていた部隊長のフロスト中佐に因んで「ジョン・フロスト橋」と改名されているそうです。

 それにしても、まるで作戦通りに行かない可能性を全く考慮していなかったような、非常に強引な印象を受けます。

ご存知の方も多いと思いますが、モントゴメリー将軍といえば北アフリカ戦線を勝利に導いた名将であり、しかもその戦略は(再三にわたる首相の要請を拒否し続け)戦力を蓄えるという堅実なものです。いくらV2ロケットという脅威があったとはいえ、その堅忍不抜なイメージとはそぐわないように感じます。

なぜここまで性急に進めてしまったのか?については、本人以外に知る由はありません。
よく聞くのはモントゴメリー将軍の個人的な名誉欲やパットン将軍への競争心という理由です。
モントゴメリー将軍は自らを連合陸軍総司令にするよう要求し、首相に要請してアイゼンハワー将軍より上の元帥の地位を得るなど、かなり固執していたようです。
またパットン将軍は、かつて「ハスキー作戦」で主役を担っていた英軍を出し抜き独断で進軍し、結果大戦果を挙げたことでモントゴメリー将軍に敵視されていた、と言われています。とは言っても、地位が全く違うんですが。
次にイギリスの都合。戦後処理でより有利な条件を引き出すため、あるいは消耗が激しく長期戦を嫌ったイギリス本国が、早く戦争を終わらせようと軍をせっついたという話もありました。
どういう理由にしても、失敗は思惑通りではなかったでしょうが。


 それでは『将軍の栄光』について。・・・なのですが、ステージ開始時にはベネルクスがドイツ所属になっています。そもそもアントワープ周辺までしかマップがありません。
追記:これは「マーケット・ガーデン作戦」後に起こったアントワープ対岸をめぐる戦闘「スヘルデの戦い」を再現している可能性があります。ちなみに本作戦の失敗が響き、アントワープを完全に確保したのは11月。

空挺部隊を使うような場所もありません。その代わり、なぜか沖にモントゴメリー将軍含めいくつかの陸上部隊がたむろしてます。何してんのそこで。
まあ、ターン制限が厳しいのはリアルかな?と思ったり。クリアするには全速力で進まなければいけない辺りは何だか教訓めいた意図を感じます。あと登場将軍は大体史実通りです。
後は・・・そう、ゲーム内でのエアポーンでは歩兵しか降下できなくて不便、とか思ってましたが、実際兵器なんて持ち運べないからしょうがないんですよね。史実の作戦を見てるとあんなに気軽にポンポンできるもんじゃないみたいですから。目標地点に違わず降下できる時点で相当有能だなあ、と今更ながら思います。
いつもながら書ける事が少なすぎる・・・・思いついたらまた追記します。

それでは。