2016年6月11日土曜日

『将軍の栄光』の作戦元ネタ解説(第二回・ヴェーザー演習作戦)

 こんにちは。
 データ初期化の影響でめっきり更新が減っているので、せめて投げっぱなしだったこのコーナーの第二回をして間を繋ごうかと思います。今回は西部戦線・枢軸側の「ヴェーザー演習作戦」の解説です。
 ※基本的にはWikipediaの内容が大部分です。ただコピペではあまりに芸が無いので出来る限り平易かつ自分の言葉で解説させて頂こうかと思います。

 前回ポーランドを滅亡させたナチスドイツですが、鉄に関してはほぼ全てスウェーデン産で、ノルウェーの不凍港から運ばれていました。
そこでイギリスは、機雷やノルウェーの占領といった手段で鉄の供給をストップしてしまおうとします。
それを受け、ナチスドイツはイギリスに先んじてノルウェー、そしてその足場としてのデンマークを占領してしまおうと考えます。これが『ヴェーザー演習作戦』です。
当然連合国の妨害が想定されますし、何より前回のポーランド侵攻以降一応宣戦布告されているフランスとの戦争が控えていますので、なるべく早く、特に海軍力では敵わないイギリスに見つからないように占領する必要がありました。『演習』という名前がついているのもそのためです。


今回には無関係ですが一応プロイセンも記入。(→プロイセンの歴史
 まず目と鼻の先のデンマークですが、地続きの部分はあっという間に占領されました。
コペンハーゲンにも兵が上陸し、さらに制空権も完全に奪われていました。空襲で火の海に化すことを恐れた議会と国王は降伏を選択、結果なんとわずか数時間でデンマークは占領されました。
ちなみに、この素早い降伏のおかげでかなり寛容な占領政策が行われたそうです。前回のポーランドとは対照的ですね。

 デンマーク侵攻と並行して行われたノルウェー侵攻ですが、上の略地図でわかる通りノルウェーは細長い国です。そこで沿岸の各所に船で兵を送りこみ、いっぺんに占領するという作戦が立てられました。
 (余談ですが、『将軍の栄光』でこれを真似しようとしましたがぼろ負けしました。)

 海軍は囮などを用いてイギリスの警戒網を潜り抜け、損害を受けつつもほぼ計画通りに港に到着・上陸しました。空軍による支援を受け、こちらもあっという間(5日足らず)に占領されてしまいます。




赤矢印は海軍。オレンジの丸は目標港
 連合国も黙ってはいません。南部の都市はドイツに近く支援できませんでしたが、海戦の末、北部の都市には兵を送り込むことに成功します。この後、連合軍はドイツと2か月近くも戦闘を続けることになります。
水色は連合国の進路。見づらくてすみません
 連合軍は比較的善戦していましたが、ここで重大な事件がおこります。ナチスによるフランス侵攻です。これでフランスは劣勢に立ち、ノルウェーで戦う余裕がなくなった連合軍はついに撤退を決めます。(アルファベット作戦)
※余談ですが、「ヴェーザー演習作戦」で登場するイギリス軍の将軍中戦車は、しばしば近づくと海に逃げます。
もしかするとここでの撤退を表現しているのかもしれません。

これによりノルウェーはドイツの占領下におかれ、傀儡政権により統治されます。(ただし国王と議会はイギリスに亡命しました。)またレジスタンス活動も行われていくことになります。


 以上で今回は終わりです。ゲーム内の制限ターン数がやたら短いこのステージですが、実際には前述の通り2か月と、ナチスドイツに最も長く抵抗した占領国だそうです。
ただ「1度占領するまで」はわずかなので、それを思えばまあ納得できるかもしれません。

 では次回はいよいよフランス侵攻に入ると思います。これでようやく連合国側のステージ解説に入ることができるでしょう。
それでは。

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