2022年8月6日土曜日

奇ゲー「ガラージュ」のストーリーなど

 よくブログとか実況で唐突に上げなくなる人いるじゃないですか。あれ何かモヤモヤしますよね、消息不明みたいな感じでハッキリしないっていうか。


 まあ僕のことなんですが。

 という訳でお久しぶりです。


 最近「garage(ガラージュ)」というゲームをやってまして、東脳の時みたく備忘がてらあらすじをまとめたいなと思いまして久々にログインしました。

 ガラージュの最大の魅力は何と言ってもその雰囲気。カラカラ、プシューといった音や錆び錆びの金属、淀み切った水、至る所に貼られた看板。数十年前の時代をほうふつとさせる閉塞感のある雰囲気はかなりイイです。

 が、このゲーム、開始直後から固有名詞が矢継ぎ早に繰り出されるので初見だとストーリーが掴みにくいと思うんです。

 もちろん、よく分からないまま彷徨うのも、その内に曖昧な認識がはっきりとしてくる感動も楽しさのひとつではありますが、あまりにもわからん状態だとモチベーションが上がらない、という人もいるかと思います。

 てな訳で、あまりネタバレにならない程度にあらすじと用語説明をしていきます。


あらすじ

 まずは公式playstoreの説明より。

精神治療装置ガラージュにかけられた主人公は奇怪な世界に放り込まれ、そこからの脱出を目指す。

「ガラージュ」この奇妙な装置は被験者の深層意識に働きかけ奇怪な暗闇の世界を作り出すのだと言われている。

主人公が放り込まれたのは、崩れそうな木造建築物と 錆びた金属とあらゆる場所が汚水で満たされた閉ざされた空間であった。 

そして自分自身の体も機械とも生物ともつかないものに変わり果てているのを発見する。

複雑な構造の迷路のようなこの世界を主人公は彷徨う。

この世界の出口を求めて―。


 つまり、ゲーム中に出てくる世界、登場人物、道具などは全て被験者の精神から生み出されたものという事でしょう。

 そしてオープニングムービー。医師と思われる人物の発言からその被験者の名前が「ヤン」らしいこと、ヤン氏は「ウンドウグツ」に何らかの執着があるらしいことがほのめかされます。

 で、ゲーム開始直後の画面がこちら。

 ドギャァァァン
 「なにこれ?え、これ俺?マジ?」となる事うけあいの衝撃ビジュアル。知っていても一瞬ビクッとなります。

 さておき、自分あての手紙や近くに貼られたメモから、

自分は「汚水」から「シェン」という人物(機械)によって助け出されたらしいということ。

この世界から抜け出すには「カゲ」を見つけなければならないこと。

そのカゲに会うためには「プシケ」という人物が手掛かりになるかもしれないということ。

などなどの情報を得られます。

 そこでプレイヤーもまたシェンの後を追い、プシケなる人物を求めてガラージュ世界へと足を踏み出すのでした。


用語

 あらすじで分かる通り、このゲームの固有名詞はかなり多いです。といってもじき慣れますが、まずは重要なものを説明しましょう。

燃料(fuel)と順応度(ego)

 どちらかが0になれば「解体」つまり死亡、ゲームオーバーです。それぞれ「白瓦斯屋」「順応堂」という施設で回復することができます。

 燃料の白瓦斯は尽きるまで悪影響が無いのですが、順応度の方は減ると会話ができなくなり(オトヌケ)、もっと減ると記録がつけられなくなる(ウデヌケ)といった支障が生じますので早めに回復しましょう。

 ただ、完全版(アプリ版)ではオートセーブなのでそこまでの痛手ではありませんが。どちらかというとオトヌケの方が厄介です。ストーリーが進まなくなるので。

 燃料はともかく、順応度ってなに?と思われる方は多いと思いますが、「自我」とか「正気度」くらいに捉えればとりあえずOKです。残念ながらギムノン(順応堂の店主)以上の説明ができる気がしないので詳しくは彼に訊いて下さい。


メーター

 右上についている目盛りです。ガラージュ世界では、このメーターの「針の位置」と「何周目か」が時間の基準となります。

 住人のスケジュールも全てこのメーターに従っている為、あちこち移動するような機械でも、メーターを見ればその居場所を把握する事が可能です。(いつどこにいるかを覚えていればの話ですが)


雄機械と雌機械

 このゲームに出て来る機械にはなんと性別があります。

 雄機械は燃料タンクと大きなエンジンによって遠出や力仕事が可能ですが、自分で白瓦斯を生産する事は出来ません。主人公はじめ、作中の機械の大半が雄機械です。

 雌機械は蟹や蛙を発酵させて白瓦斯を精製する装置を備えていますが、その分運動性能は劣ります。中には雄機械と夫婦のように暮らしている者もいますが、作中に出て来る雌機械の半数近くは白瓦斯屋で働いています。


ビンドウ

 水棲「機械」のうち、蟹を捕らえるための罠です。蟹は同じく水棲機械である蛙の釣り餌にもなります。

 蟹や蛙は交換所で売れるほか、蛙釣りは雄機械たちのメジャーな娯楽のひとつとなっています。ただ、最初のうちは出力不足であまり楽しめませんので、小さなエサと針で改造資金をちびちび稼ぎましょう。


ガラージュ世界

 ガラージュMAPは「汚水」「施設」「軌道」の三つに区分する事ができます。

汚水

 ガラージュ世界のほとんどを占めるのが汚水です。その正体は雌機械が白瓦斯を生産した後の搾りカス。しかしこの汚水がなければ蟹や蛙などの水棲機械が生息できません。すなわち白瓦斯の枯渇、ひいては全滅に繋がる訳ですから、かなり重要な要素のひとつですね。


施設

 「崩れそうな木造建築物」とは言え、このゲームの施設は意外とバラエティ豊かです。折角なのでいくつか紹介していきましょう。

●白瓦斯屋

 雌機械から白瓦斯を補給できる、言わばガソリンスタンド。この世界での通貨となっている「白瓦斯屋スタンプ」という名称からもこの施設の重要性が伺えます。

●順応堂

 順応度を回復できる場所です。

 順応液に全身を浸す「順応器」と、メリーゴーランドのような「木馬」という二種類の装置を備えています。木馬の方がお高めですが、効果は多分同じです。

 アドバイスとして、冷却室はマメに覗きましょう。システム上いつも無人に見えますが、実は中で住人が涼んでいる、という事も多いです。

●マルヤ百貨店

 ひときわ目を引く中心的建物。と言っても売っているのは薬・パーツ・釣り具・雑貨といった程度ですが、それでも作中で指折りの巨大建築です。

●工場

 目盛りや配管がひしめく、独特な雰囲気のある建物です。ただしゲーム開始時点では入れません。

 ちなみにトップ画面の配管だらけの場所はこのマップです。

●清流荘・福寿荘

 一風変わった名前のこれらはいずれもアパートです。二つの建物は二階で繋がっていたのですが、福寿荘のエレベーターが故障しており通り抜け不可。

 清流荘には工場および百貨店で働く機械が住んでおり、決まりきったタイムテーブルで職場と部屋とを行き来しています。部屋の前にはメーターのようなものがついていますので一目瞭然です。

 地味に広いのでうかつに入ると燃料や順応度が尽きて死にます。


軌道

 そして汚水を越えて場所と場所を結ぶのがこの軌道。台車で進む機械はレールが敷かれている場所しか進めませんので、大袈裟に言えばこれがガラージュ世界の範囲を決めている、とも言えます。

 ただしこの軌道(の、少なくとも一部)はここの住人によって敷設されたものです。頑張れば拡張できるのですね。

 ゲーム中、たとえ建物が続いていそうでも気になる場所があっても、軌道が無ければどうやっても進めません。この「行けない範囲」が逆に想像を膨らませるのかも。


 また、外周・内周と呼ばれる二重の環状レールですが、ゲーム開始時にはプレス機によってかなりの区域が封鎖されてしまっています。タイミングを計ってすり抜けようとしてもムダですからプレス機を止める方法を探しましょう。

 あとは外周・内周で視点の向きが変わりますので、慣れないうちは迷いやすいのでご注意を。コツは看板をよく見て、自分の進みたい方角がどちらかを考える事です。


似ている名前

 薄々感じているとは思いますが、このゲームに出てくる人名は中華風・和風・洋風エスニックと分かれています。

 特に重要な人名を間違えるとわけわからんことになりますので、重要人物「ヤン」絡みで似ている名前を挙げてみましょう。

●シャン

 白瓦斯屋で働いている雌機械のひとり。

 三人娘の中では一番顔がこわくない(個人的感想)。

●チェン

 廃墟区域に入り浸っているやさぐれ機械。

 ヤンと関係があるのがまたややこしい。

●シェン

 主人公の恩人。見ず知らずの主人公に家を明け渡しちゃうちょっと不用心な人。

 余談ですがゲーム開始当初、明らかに他人の家なのにいきなり「自室」と呼ぶ主人公はどうかしてると思ってました。

●ハン

 既に閉鎖された印刷所のおやじ。

 珍しい一つ目。


その他、紛らわしい名前

●アーサン・ターサン・ハーサン

 工場で働いている三人組。名前は非常に似てますが、間違えても特に問題はないです。

●ちよ・ツル

 ちよは福寿荘の住人(おかみさん?)。ツルは宮という機械の奥さん。古風な二文字の名前というだけですがよく間違えました。


 このゲームが放つものすごい雰囲気と世界設定のあまり、プレイ中は目先のイベントに気を取られ、ついついどんな謎を追っているか忘れがちになりますよね。僕がアホとかそういうあれじゃなくてね。ね。

 そこで、メモ的に最序盤で登場する謎を整理しました。

ガラージュの「過去」

 ゲーム開始直後から分かる事ですが、作中の世界は「何かがあった後」の世界です。それも、誰しもが巻き込まれるほどの大事件が。

 少し気にかけてみると、ふとした会話からでもその巨大な騒動の余波を伺う事ができます。

 まあ精神治療装置の世界なのですから、治療の必要を生む何かがあった、というのは考えてみれば当然ですね。

 「事件→ガラージュ起動→ガラージュ世界生成」という時系列を考えれば、何かがあったという「設定」と呼ぶべきかもしれません。

 まあこの世界を舞台とする限り、プレイヤーにはどちらでも同じことですが。


ヤン

 言うまでもなく、オープニングで出てきたガラージュの被験者ですね。

 そしてゲーム内では、ハジメという機械からプシケと仲の良い、白瓦斯屋のあるじとしてその名前が出てきます。

 ところが、白瓦斯屋を訪ねてみても会えるのはウリブールという別人。もちろん「ヤン・ウリブール」とかいう名前ではなく、全くの別人です。

 ここでプレイヤーの頭には、

 他にヤンがいるならば、ヤンの精神世界であるこのガラージュ世界は彼のものなのか。とすれば、自分が操作しているこの機械は何者なのか。

 そして、ヤンはどこで何をしているのか。いきなり放り出された主人公と違い、白瓦斯屋の店主という役割を与えられているのは何故なのか。

 といった疑問が浮かぶことでしょう。

 なお、僕は開始数秒で名前を忘れていたので全く気付きませんでした。


カゲ

 あとは、カゲというのも謎ですね。

 なぜカゲと出会えばこの世界から脱出できるのか、そもそもカゲとはどういった存在なのかも分かりません。

 ただ、シェンもまた自分のカゲを探している以上、カゲがあるのは自分だけではないらしいと分かります。

 しかしガラージュ世界はヤンの精神世界。つまりヤン以外に脱出経路、メタ的に言えばNPCにクリア方法が用意されている訳はありませんが……。

 といった疑問が生じますね。

 こちらもプレイ中は全く疑問に思いませんでしたが。


 とりあえず、今回はここまでです。久々に長文を書いたら疲れました。


 それでは。