2017年4月8日土曜日

『将軍の栄光』作戦元ネタ解説(第四回・アシカ作戦)

 このコーナーも4回目。今回は枢軸シナリオ「アシカ作戦」、連合シナリオ「グレートブリテンの戦い」の元ネタ解説です。
 ※基本的にはWikipediaの内容が大部分です。ただコピペではあまりに芸が無いので出来る限り平易かつ自分の言葉で解説させて頂こうかと思います。

「アシカ作戦」とはナチスドイツによるイギリス侵攻作戦の名前です。
この名前に聞き覚えがなくとも、こう言えばご存知の方も多いのではないでしょうか。
ゼーレーヴェ作戦」。某アニメで有名ですね。私は戦争が好きだの奴です。


 ベネルクス三国およびフランス侵攻を短期かつ軽微な損害で成し遂げ、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのナチスドイツでしたが、一方で不安も抱えていました。
先のフランス侵攻におけるナチス唯一の汚点「ダンケルクの奇跡」で脱出した数十万の連合国の兵士たちが居ましたね。その脱出先であるイギリスです。
イギリスは今や亡命した各国政府の拠り所、連合国の本拠地にして西欧最後の砦となっています。
逆に言えば、このイギリスを倒せば西欧に残るは中立のスペインとポルトガルくらいなもの。つまり敵なしという事です。

 当初は講和を期待していたヒトラーですが、バリバリの主戦派チャーチルによって講和が否決され、このアシカ作戦を計画しました。
当初の計画は最も近いイギリスの南東部に上陸、空挺部隊でそれを支援し北進、ロンドンを包囲するというものです。


 さて、連合国の本拠地とはいえダンケルクから撤退できたのは人員ばかりであり、殆どの兵器はそのままダンケルクに取り残されてしまいました。
そのためイギリス本土の陸軍はかなり弱体化しており、ドイツ軍の上陸に備えてホーム・ガードと呼ばれる民兵を組織しているほどでした。

 しかし一方でイギリス海軍は世界最強クラス。侵略するためにドーバー海峡を渡ろうとすれば間違いなく妨害を受けるでしょう。
陸軍を運搬する船は無防備であり、軍船に狙われたらひとたまりもありませんので当然護衛する船が必要です。

あ、ちなみに。「将軍の栄光」では水上運搬中の陸軍ユニットが軍艦に向かって攻撃を仕掛ける場面も珍しくありませんが、当時艦船の砲は最低でも口径10㎝を超えるのに対し、戦車はナチスドイツが誇る後期の重戦車(タイガー戦車)ですら口径8.8cm。
砲身の長さも桁違いなので射程も威力もダンチですし、個人的には相手にならないと思います。

対するドイツ海軍はというと、元々大して強くない上にノルウェー侵攻作戦「ヴェーザー演習作戦」でかなりの損害を受けており、加えてドーバー海峡は浅すぎて頼みのUボートも活躍しづらい環境です。はっきり言って勝ち目はありません。

 海軍をやっつけるのは難しいならフランスの時のような奇襲ができないの?とも思いますが、ここでも補給の問題があります。
一旦は不意を衝いて本土上陸を成し遂げたとしても、後続の支援部隊が押し寄せたイギリス海軍に破壊されるのは目に見えています。
フランス侵攻の際は現地調達で賄いましたが、さすがにロンドン包囲しておいて現地調達のみというのは不可能でしょう。

 という訳で、アシカ作戦の前提には、
上陸の障害となるイギリス海軍と沿岸地域の敵を退け
かつ入ってこられないように海峡を封鎖する必要があり、
しかし海軍だけではそれを実現することはできず、
ゆえに航空機による応援が不可欠であり、
よって制空権の確保をする事がこの作戦の発動条件となりました。(赤字がヒトラーによって挙げられたアシカ作戦発動の前提です。)

 それらを満たすべく、空軍大佐ゲーリング指揮による制空権確保のための戦い、通称「バトル・オブ・ブリテン」が勃発しました。
バトル・オブ・ブリテンも興味深い戦いなのですが、生憎「将軍の栄光」では制空権などあってないようなものなので省略します。

かいつまむと、ドイツ優勢・イギリス粘る→ロンドンへの爆撃に方針転換→その隙に施設を修復してイギリス空軍復活、さらにドイツ戦闘機の航続距離の短さが露呈。→制空権確保失敗。
です。
航空支援なしに海軍が勝てるはずもなく、特に戦うことなく制海権も断念。
おまけにソ連侵攻作戦「バルバロッサ作戦」が始動し、とてもイギリス侵攻どころでは無くなり、総統ヒトラーによってこの作戦の中止が決定されました。


 とまあ実現しなかった作戦なので、今回は「もしアシカ作戦が実行されていたら」という「IF」シナリオです。

 ですが、実は後の机上訓練でこの作戦は検討されています。
「制空権は確保できていないが、機雷でドーバー海峡は封鎖されている」という状態、すなわち前提条件を満たせていなかったのに決行した場合ですね。
元ナチスの将校も参加したこのシミュレーションですが、やはり上陸は上手く行ったものの機雷原を突破したイギリス海軍により補給が断絶し、ナチス軍は撤退しています。

 このゲームでは補給も制空権も関係ないので完全な再現は無理ですし、そもそもイギリス沿岸の敵が全然排除できてないとか、潜水艦がガンガン活躍できるとか・・・
けっこう史実と離れているステージではありますね。


 そして「グレートブリテンの戦い」は、このアシカ作戦が上手く行った後のステージでしょう。ロンドンがドイツの手に落ちています。それでも降伏しないイギリス。

北海にイギリス海軍がいる所を見ると救援に向かえなかったようですね。もしくは完全に制海権を取り戻しており、支援に向かっているという可能性も。
またプレイヤー含め、イギリス軍主力は北部に構えています。
前述のシミュレーションではイギリスは遅滞戦術を取り、ホーム・ガードが時間を稼いでいる間に正規軍を再編成、防衛ラインを築くという展開になっていたので、恐らくは再編成した部隊でしょう。

シナリオでも時間稼ぎ→主力が前線に復帰→反撃という流れなので、こちらはほぼ再現されているといえます。本当ならロンドンは落とされませんし、何より反撃のカギは何度も言った通り補給の断絶なのですがまあ良いでしょう。

 こんなところでしょうか。この作戦は枢軸ファンの方なら一度は成功を妄想するのではないかと思いますので、検証するサイト様も比較的多く存在します。僕の拙い説明で満足できない方は是非そちらにおいで下さいませ。
では。

11 件のコメント:

  1. 更新ありがとうございますm(_ _)m。しっかり分かりやすく書かれてて将軍の栄光関連も書かれてかなり面白かったです^_^。こうしてみると確かにグレートブリテンの戦いはかなり再現されてますね。納得でした。ただ強力なイギリス海軍はそんなに再現されてましたか?確かに空母が2隻あったりとそれまでのステージでは最強でしたが、普通に殲滅できて個人的にはあまり強くは感じませんでしたね。次の更新はバルカン半島の戦いですか?楽しみに待ってます^_^。

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    1. コメントありがとうございます!
      イギリス海軍については御免なさい、「海上封鎖されている割に」みたいな事を書いたつもりで忘れていました。それから初挑戦時のイメージが強すぎてちょっと言い過ぎでしたね。
      とりあえずそこの部分は修正させて頂きます;;

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    2. 修正お疲れ様です!
      なるほど、確かに海上封鎖されてる割にはかなり抵抗できてますね。
      自分も初めてやる時は海戦の規模の大きさに驚きましたね。ハスキー作戦・ウィーザー演習作戦と違って、海戦で活躍できたのも驚きました。空母は一隻と思ってたので2隻目を見つけた時は一瞬、長距離一気に移動したと思って驚きました笑。

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    3. 後、気になったんですがグレートブリケンの戦いのところの、「本当ならロンドンは落とされませんし、」とはどういう意味ですか?

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    4. 初めての大規模海戦ですからねw
      あ、ロンドンが落とされないというのは本文でも書いた模擬演習での話です。色々調べたのですが、書きぶりからこのシミュレーションではロンドンが陥落していないと判断しました。
      ですが原本を所持した事が無いのでもし違っていたらどなたでもお教えくださいm(_ _)m

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    5. あーシュミレーションの話ですか。納得しました。まあ、あのめちゃくちゃなアシカ作戦なら陥落できるでしょうねw

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  2. 次の解説はバルカン半島の戦いですか?

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    1. そうですねー・・・時系列はあまり意識していませんが、やっぱりハスキー作戦よりバルカン半島侵攻が先に来る方がしっくりくるので。
      最近ドタバタしてて更新が遅れそうですが、次回もどうぞよろしくお願いします( -`ω-)

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    2. わかりました。確かにしっくりきますからね。個人的にはハスキー作戦などをせず北アフリカ戦線行って、連合国側の反撃やって西部戦線連合国側やってほしいですね。あくまで個人的なので管理人さんに任せます。こちらこそ今後も更新お願いします^_^。

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    3. うーん、あくまで「将軍の栄光」関連コンテンツのつもりなので、歴史よりシナリオ重視でいきたいんですよね・・・(;-_-)
      ただやっぱり時系列順の方が分かりやすいかな?とも。とりあえずしばらく考えてみます。
      あと攻略も頑張らないと(ry

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    4. ありがとうございます^_^。元ネタ解説も攻略も頑張ってください!

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